【タコピーの原罪】最終話「2016年のきみたちへ」ネタバレ解説!ラストの展開は?なぜしずかちゃんとまりなちゃんは和解できたのか!?【マンガ考察】

タコピーの原罪 タコピーの原罪

こんにちは!

タコピーの原罪考察班の兎丸だっピ!

3月25日(金)に最終話「2016年のきみたちへ」が公開されましたね!

今回も最新話の深堀り考察をしていきたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合い下さい!

 

「タコピーの原罪」最終話までの伏線まとめはこちらの記事です!

 

本記事は最新話までのネタバレを含みます。

本編未読の方は下記リンクから読んできてくださいね!

 

↓ジャンプ+へ飛びます↓

 

それではいってみましょう!

 

スポンサーリンク

【タコピーの原罪】前回までのあらすじ

しずかちゃんとの最後の「おはなし」に臨むタコピー。

追い込まれたしずかちゃんは「どうすればよかったの?」

「知らない人みたいな顔で私のこと見てたお父さん、どうすればよかったの?」

「ママが帰って来なくなったときはどうすればよかった?」

とこれまでの不遇をぶちまけます。

何事にも無関心に思えたしずかちゃんですが、実際は自身の心を守るために「鈍感なフリ」をしていただけでした。

涙ながらに「どうすればよかった」と問うしずかちゃんにタコピーは「わからない」と答えます。

「おはなしきかなくてごめん」

「何もわかろうとしなくてごめん」

「一人にしてごめん」

タコピーはしずかちゃんの気持ちに寄り添えていなかったことを謝ります。

そして二人は長い間ともに過ごし、季節が巡りました。

絶え間なく泣き続けるしずかちゃんを笑顔にするため、タコピーは自身の身を犠牲に「最後のタイムリープ」を試みます。

そして巻き戻った時間。

しずかちゃんの頭からタコピーの記憶は失われていました。

 

【タコピーの原罪】最終話「2016年のきみたちへ」ネタバレ解説!ラストの展開は?なぜしずかちゃんとまりなちゃんは和解できたのか!?

敵対していたしずかちゃんとまりなちゃんがあっさり和解できたことに違和感を抱いた人もいたのではないでしょうか。

ここでは、しずかちゃんとまりなちゃんが和解できた理由について考察していきます。

 

結論から言ってしまうと、二人がこれまで「対話」をまったくしてこなかったことが挙げられます。

まりなちゃんはしずかちゃんを一方的に責め続け、しずかちゃんの言葉に耳を傾けることなく、しずかちゃんが置かれている状況を理解しようとしませんでした。

しずかちゃんもまた、絶望的な状況からすべてを諦め、心に蓋をしていましたよね。

お互いが自分のことで精いっぱいだったことが、気持ちのすれ違いの大きな要因と言えるでしょう。

タコピーの落書きをきっかけに、二人にはかすかに残った「タコピーとの記憶」という共通の話題が生まれました。

しずかちゃんとまりなちゃんにしかわからない「タコピーとの記憶」。

おそらく二人はこの記憶について語り合ったと思います。

作中の描写から、タコピーのとの記憶はとてもかすかなものであり、結局タコピーの存在を思い出すまでには至っていないと思われます。

しかし、タコピーをきっかけに言葉を交わしたことで、二人はお互いを深く知っていったのではないでしょうか。

互いの気持ちや置かれている状況を知ったことで「悪いのは周囲の環境であり、目の前の少女は自分と同じ被害者」という事実を理解していったと推察できます。

奇しくも「しずかママとまりなパパの不貞行為」という共通の悩みがあることで他のクラスメイトよりも踏み込んだ話ができる関係性になっていったと考えられます。

家庭の事情などを変に隠す必要がないため、自然となんでも話せる間柄になったのではないでしょうか。

高校生になった二人の「まりなちゃんのママいつもやばいじゃん」「誰のせいだと思ってんのよ。お前んちよりはマシ」というやりとりから、お互いの事情を深く理解していることが伺えます。

 

【タコピーの原罪】しずかちゃん、まりなちゃん、東くんは最終的にどうなった?

次に、最後のタイムリープによって3人の生活が具体的にどう変わったのかについて解説していきたいと思います。

 

しずかちゃん

タイムリープ後のしずかちゃんは相変わらずイジメの対象になっています。

しかし、イジメの主犯格であるまりなちゃんと和解し、高校生になる頃には一緒に買い物に出かけるほど親密な仲となりました。

まりなちゃんと和解したことでチャッピーも生き延びています。

チャッピーはしずかちゃんの愛犬で、ネグレクトやイジメといった絶望のなかで、しずかちゃんの心の支えになっていた存在です。

タイムリープ前の世界では、まりなちゃんの企みによって意図的にまりなちゃんに噛みつくよう仕向けられ、保健所に連れていかれてしまいました。

チャッピーがいなくなったことがしずかちゃんが自殺する直接的な引き金となっていたため、タイムリープ後の世界ではしずかちゃんは自殺(未遂)をしていないと思われます。

 

しずかちゃんがオシャレに目覚めた理由

高校生になったしずかちゃんはオシャレに目覚めています。

これは「私アイシャドー買いたい」というセリフや、綺麗なネイルをしていることからもわかりますよね。

しずかちゃんがオシャレに目覚めた理由として「チャッピー以外にも関心が持てるようになった」からではないでしょうか。

小学生時代のしずかちゃんは自身の不幸な境遇から「どうせ何も変わらない」と、すべてを諦めていました。

チャッピー以外には心を開いておらず、チャッピー以外への興味が極端に希薄でしたよね。

そんなしずかちゃんがチャッピー以外にも関心が持てるようになったのは、まりなちゃんという「話を聞いてくれる人」「寄り添ってくれる人」ができたからだと思います。

たとえ家族環境は変わらなくても、まりなちゃんという理解者を得たことで心にゆとりが生まれ、興味の幅が広がったのかもしれません。

 

また、最終話に登場したしずかちゃんの自宅が綺麗になっていますよね。

これは、かつてすべてに絶望し、ただ「魔法」を待つだけだったしずかちゃんが、自発的に行動した結果なのではないでしょうか。

ひょっとしたら家事に慣れているまりなちゃんが色々と教えてくれたのかもしれませんね!

 

まりなちゃん

タイムリープ後のまりなちゃんも、変わらずにしずかちゃんをイジメていました。

しかし、ふとしたきっかけでしずかちゃんと和解し、友達になりましたよね。

高校生になったまりなちゃんの頬のキズから、家庭環境は変わっていないと推察できます。

まりなちゃんの頬のキズは、母親からの虐待によってできたものでしたよね。

しかし、自らの境遇を必要以上に悲観している様子はなく、ありのままを受け入れている印象を受けます。

 

まりなちゃんはクラスメイトに事実を隠していた

そもそもまりなちゃんが追い込まれていった要因のひとつに「悩みを相談できる相手がいなかった」ことが挙げられます。

まりなちゃんはしずかちゃんをイジメるとき、クラスメイトの前では「生活保護」「給食費未納」といった「しずかちゃんの家庭」にしか言及していません。

「しずかママとまりなパパの関係」について話すときは、必ずしずかちゃんを呼び出して二人きりの状況を作っています。

この様子から、まりなちゃんは自身の家庭問題について周囲に知られたくなかったと推察できます。

これは言い換えれば「家庭問題を誰にも相談できなかった」とも言えるでしょう。

両親の不仲、父親の不貞行為、母親の精神が不安定といった、小学生が抱えるには大きすぎる悩みを、まりなちゃんは誰にも打ち明けることができなかったのです。

まりなちゃんの家庭問題としずかちゃんには何の関係もありません。

すべて大人が起こした問題です。

つまり、しずかちゃんをイジメていたのはただの八つ当たりであり、まりなちゃん自身もそれを理解していたのではないでしょうか。

それでもしずかちゃんに当たらずにいられなかったのは、どこにも吐き出せない感情をぶつける場所が必要だったからだと思います。

まりなちゃん自身、しずかちゃんをイジメても何も変わらない事実を理解しており、それでもどうにもできない状況に大きなストレスを感じていたと言えるでしょう。

まりなちゃんにとって、しずかちゃんと和解し、共通の悩みを持った友達を得たことが、心の救いとなったのではないでしょうか。

同じ「気持ちを吐き出す」という行為ですが、一方的にぶつけるのではなく、きちんとした「対話」として打ち明けられるようになりました。

 

まりなちゃんは自身の家庭問題を他人のせいにしていました。

「うちの家族は何も悪くない」という考え方ですね。

これはある意味現実逃避と言えるでしょう。

高校生になったまりなちゃんが「うち今日ママやばそー」と平然と言えるようになったのは、まりなちゃんが自身の家庭問題を受け入れ、向き合えるようになったからではないでしょうか。

 

東くん

タイムリープ後の東くんは大きく環境が変わっています。

結論から言ってしまうと、東くんにもタコピーの記憶が残っており、その影響で兄・潤也への劣等感や母親に対する後ろめたさがなくなっていると思われます。

 

東くんのメガネ

そう考える根拠のひとつに、東くんのメガネがあります。

最終話の東くんのメガネは新しいものに変わっていますよね。

以前はフレームが四角でしたが、最終話では丸っぽくなっています。

東くんのメガネは、潤也のお下がりばかりだった東くんに対して、唯一母親が買ってくれたものでした。

東くんは度が合わなくなっても同じメガネを使い続けています。

これは、メガネが東くんにとって「母親との絆」を感じるものだったからではないでしょうか。

また、潤也との比較から「必要とされていない自分が新しいメガネを買ってほしいなんて言えない」という気持ちもあったのかもしれません。

東くんのメガネが誰に買ってもらったものなのかは不明ですが、少なくとも「メガネの度が合わない」ことすら言えないような環境にはないことが分かります。

 

潤也とのケンカ

根拠のふたつめは、潤也とケンカしていることです。

タイムリープ前の東くんは、兄・潤也に対して強い嫉妬や劣等感を抱いていました。

潤也と腹を割って話すことはなく、「兄ちゃん」ではなく「潤也」と呼んでいました。

どちらかと言えば距離を置いていたような印象ですよね。

しかし、最終話では「昨日兄ちゃんとケンカして」と語っています。

このことから、しずかちゃんやまりなちゃんと同様に、東くんにもタコピーとの記憶が残っていると考えられます。

タイムリープの前、東くんは時間を遡ることができるタコピーに対して「次の僕に会うことがあったら言って、兄貴とケンカでもしてみろって」と告げました。

おそらくこの時の記憶が残っていたため、東くんは兄とケンカし、対等な関係を築けるようになったのではないでしょうか。

また、友達から「直樹」と下の名前で呼ばれていることから、「東直樹」として見てもらえていることがわかります。

 

東くんがしずかちゃんと関わらなかった理由

次に、東くんがしずかちゃんと関わっていない点について考察していきます。

タイムリープ前は、しずかちゃんに心酔し、最終的には代理で自首しようとまでしていた東君ですが、最終話では結局一言も交わさずに終わっています。

そもそも、東くんがしずかちゃんを気にかけていたのは、潤也への劣等感や母親への後ろめたさから「自分はいらない存在なのかもしれない」という思考に陥ってからではないでしょうか。

「母親に似ている」といった要因もありますが、どちらかと言えばしずかちゃんを助けることで「必要とされる人間」であろうとしたのだと思います。

先ほども解説したように、タイムリープ後の東くんは潤也への劣等感から始まる様々な負の感情がありません。

自己肯定感が保たれているため「しずかちゃんを助けることで認めてもらう」という思考にはならないのではないでしょうか。

一見するとしずかちゃんを見捨てた冷たい人間のように感じる東くんですが、よく見るとしずかちゃんに「あのっ」と声を掛けようとしています。

タイミング悪く友達に誘われてしまったため声を掛けずに終わっただけであり、いじめられっ子のしずかちゃんを気にかける素振りはありますよね。

友達の誘いを無視してまで声を掛けようとしなかっただけで、別の機会にしずかちゃんに手を差し伸べていた可能性はあると思います。

むしろ満たされた環境にあってもなお声を掛けようとしていた様子から、「必要とされるため」というマイナスな理由ではなく、純粋な善意で声をかけようとしていたことが伺えます。

 

タコピー

最後に消えたタコピーについて深堀していきます。

結論から言ってしまうと、最後のタイムリープによってタコピーは消滅したと思われます。

ただ、タコピーの想いや記憶の断片は残っており、しずかちゃんたちの思考や行動に少なからず影響を与えているのではないでしょうか。

これは、タイムリープ後の世界には存在しないはずの「どくだみ(お花ピン)」「土星ウサギのボールペン」そして「タコピーの落書き」に登場人物たちが反応していることからもわかりますよね。

「お花ピン」は周囲から姿が見えなくなるハッピー道具で、タコピーが学校についていくときに使用していました。

しずかちゃんからはタコピーが見えていますが、周囲からはタコピーが「ハッピー花=どくだみ」に見えるようになります。

「土星ウサギのボールペン」は、二人と出会ったばかりのタコピーが、しずかちゃんやまりなちゃんと仲良くなるために紹介していたハッピー道具でしたよね。

これといった活躍がなかった道具で、第1話と第12話に登場しています。

ちなみにしずかちゃんが書いたタコピーに対してまりなちゃんが「ごみくそってかんじ」と言っていますが、これは2022年でまりなちゃんがタコピーにつけた名前です。

 

終始「おはなしをしよう」と言っていたタコピーですが、第1話とラストでは「おはなし」への理解度がまったく違います。

第1話では「ハッピー星でそう教えられてきたから」という、薄っぺらくかつ盲目的に「おはなし」の大切さを説いていましたよね。

タコピー自身にも言葉の意味が分かっていない表面的なものだったため、誰の心にも響かなかったのではないでしょうか。

ラストに至るまでにタコピーは、まりなちゃんやしずかちゃんとの交流を通して「人には善と悪の両方の側面がある」「相手の気持ちを考えずに一方的に助けてあげようとする愚かさ」といった人生経験を積みました。

そのうえで、やっぱり大切なのは「おはなし」であるという結論に至ります。

たとえ同じセリフでも、第1話とラストでは込められた想いや言葉の重みがまったく違うと言えるでしょう。

タコピーが辿った数々の過ちは無駄ではなかったのです。

 

ハッピーエンドではない。しかし「人との繋がり」の大切さを知った彼女たちは「心の豊かさ」を手に入れた。

それこそがタコピーの求める「ハッピー」だったのではないでしょうか。

タイザン5先生、お疲れ様でした。

 

タコピーの原罪 上

タコピーの原罪 上

タコピーの原罪 上

 

 

「タコピーの原罪」作者のタイザン5先生の読み切り紹介!

ちなみにタイザン5先生は過去に読切を発表しています。

「讃歌」「同人政治」「キスしたい男」「ヒーローコンプレックス」など、どれもタイザン5先生の特徴である秀逸な世界観と共感できる人間ドラマがめちゃくちゃ味わえる作品ばかりですのでぜひチェックしてください!

・讃歌

・同人政治

・キスしたい男

・ヒーローコンプレックス

 

 

コミックス上下巻絶賛発売中!

 

 

 

コメント

  1. 315 より:

    連載当時、Twitterなどで考察を見ながら読んでいましたが正直よくわからないまま読んでいました。
    改めて読み返ししようと思い考察サイトを検索したところこちらにたどり着いたのですが、最初から最後まで本当にわかりやすい解説ありがとうございます!!!
    すごくすっきりしました!

タイトルとURLをコピーしました