怪獣8号が面白いのは最初だけ?あらすじやなぜ人気なのかを徹底レビュー!

怪獣8号 怪獣8号

こんにちは!

おもしろマンガレビュー班の兎丸です!

 

ネットを中心に注目が高まっている「怪獣8号」。

アニメ化確実とも言われる本作ですが「なにがそんなに面白いの?」と疑問に感じる人もいるのではないでしょうか。

 

今回は、そんな「怪獣8号」が本当に面白いのかを解説していきます。

実際に全話読んだうえでのレビューですので、ある程度の説得力はあるかと思います!

 

それではいってみましょう!

 

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怪獣8号とは?

「怪獣8号」は、松本直也先生による王道少年マンガです。

松本先生は「ねこわっぱ!」や「ポチクロ」の作者ですね。

集英社のWebマンガサービス「ジャンプ+」で連載されています。

ジャンプ+は「スパイファミリー」や「サマータイムレンダ」といったアニメ化作品のほか、「ダンダダン」「チェンソーマン2部」などの超話題作が連載されています。

「怪獣8号」は、そんなジャンプ+でも上位に入る人気作であり、看板のひとつと言えるでしょう。

 

怪獣8号のあらすじは?

怪獣大国・日本。

怪獣が「自然災害」として認知される世界で、怪獣と防衛隊の戦いが描かれます。

主人公・日比野カフカは、かつて防衛隊を目指しながらも挫折し、現在は「怪獣清掃業者」(防衛隊が倒した怪獣の死骸を片付ける業者)で働く32歳。

幼い頃に「一緒に防衛隊になる」と約束した幼馴染・亜白ミナは、いまや防衛隊でもトップクラスの実力者となっています。

華々しく活躍するミナと、夢をあきらめた自分を比べて虚しさを覚えるカフカ。

ある日、カフカの職場に防衛隊を目指す青年・市川レノがやってきます。

かつての自分と同じ夢を持つレノ、そしてミナとの再会を経て、カフカはもう一度「防衛隊」という夢を追いかける決意をするのでした。

しかし、そんなカフカの目の前に謎の怪獣が出現。

「ミツケタ」と呟いた怪獣がカフカの体内に侵入すると、次の瞬間、カフカの体は防衛隊の敵である「怪獣」になっていました。

 

怪獣8号の面白さとは?

ここでは、具体的に「怪獣8号」のどこがおもしろいのかを解説していきたいと思います。

 

怪獣8号の面白いポイント①「主人公がおじさん」

主人公カフカは32歳という設定です。

32歳がおじさんかどうかはともかく、一般的な少年マンガの主人公としては年齢が高いですよね。

特別な才能を持たず、夢を追い求めることすら諦めてしまった普通の大人です。

可能性の塊である若者とは違い、カフカは一度夢を捨て、現実の厳しさを経験しています。

夢を追いかける難しさや、努力すればすべてがうまくいくわけではないということも承知のうえで「もう一度」奮起しました。

そんなカフカの思いを象徴するセリフがこちらです。

「夢を追うってのは、一番譲れない大事な物で毎分毎秒誰かに負け続けることなんだ」

何かを頑張ったことのある人、挫折した人、今現在夢を追いかけている人。

社会の荒波に揉まれている「いい大人」にこそ響くセリフだと思います。

 

怪獣8号の面白いポイント②「主人公が怪獣」

最後のチャンスとばかりに必死に夢を追うカフカですが、その障害となるのが「怪獣の力」です。

カフカは謎の怪獣によって最強の怪獣「怪獣8号」に変身できるようになりました。

その力は圧倒的で、はっきり言って1話の時点で作中最強クラスのパワーです。

見た目は怪獣でも中身は人間のままですので、怪獣に襲われた人々を救うために力を振るいます。

しかし、ここで問題となるのが「怪獣であること」です。

どんな怪獣をも粉砕できる力を手に入れたカフカですが、防衛隊と敵対する「怪獣」であるがゆえに周囲に正体を明かせません。

怪獣は発見=討伐が当たり前の世界だからです。

「正体がバレてはいけない」。

しかし、「自らの正義に嘘は付けない」。

ここら辺のバランスも、「怪獣8号」の見どころのひとつと言えるでしょう。

 

怪獣8号の面白いポイント③「わかりやすい」

これは賛否あると思うのですが、個人的になんかごちゃごちゃしてるマンガって読みたくないんですよね。

もちろん細かい設定や綿密なストーリーが評価されているマンガはたくさんあります。

自分が好きなマンガなら楽しみながら読めるのですが、初めて読むマンガや、まだ詳しく知らないマンガなんかだと序盤の説明文で挫折しちゃうことも多いです。

「怪獣8号」はとにかくわかりやすい。

スッキリとした絵柄で描かれるバトルシーンは、激しい戦いにも関わらず「何をしているのかがすぐにわかる」。

「防衛隊と怪獣」という設定も、日本人にはなじみ深いですよね。

怪獣や防衛隊の兵器にも「特殊能力」と呼べるものがありますが、いわゆる「能力バトルもの」のような複雑な設定はありません。(松本先生の中ではあるのかもしれませんが作中では描かれていません)

複雑な設定を排除したことで、普段バトルマンガを読まない読者でもキャラクターやストーリーに没入しやすいです。

「なんかスゲー」「なんか面白い」「なんかアツい」

深く考えずに感覚で読めるマンガだと思いました。

 

怪獣8号の面白いポイント④「怪獣と防衛隊の世界観」

怪獣や防衛隊といった、童心をくすぐる各種設定も魅力のひとつと言えます。

 

怪獣

松本先生によると、「怪獣8号」における怪獣は「あくまで人間が生き残るうえで乗り越えないといいけない災害」とのこと。

必ずしも「悪」ではなく、ただ「人にとっての危機」という立ち位置は、「ゴジラ」なんかにも通じる部分がありますよね。

作中にはキノコやアリなど、地球の生き物をモデルとした多種多様な怪獣が登場します。

人間サイズから、それこそ高層ビル以上の超巨大な怪獣まで色々です。

怪獣の登場のしかたも様々で、超大型怪獣の体内から大量の小型怪獣が湧き出てきたり、人型だった怪獣が本気を出すと巨大化したりします。

読んでいて「次はどんな怪獣が出るんだろう」とワクワクする自分がいました。

 

防衛隊

そんな怪獣から市民を守るヒーローが防衛隊です。

ヒーローと言っても、ウルトラマンのように変身したり巨大化したりはしません。

「怪獣8号」の防衛隊は、特殊な強化スーツを身にまとい、銃や剣といった武器を手にして戦います。

スーツや武器は、討伐した怪獣の細胞から作られており、人体と同調させることで身体能力の向上や高い破壊力を生み出します。

怪獣のなかには冷気を使うものや衝撃波を放つものがいて、防衛隊は怪獣の細胞を利用してこれらの超常的な能力を扱います。

「未知の敵を倒すために敵の技術を利用する」

「進撃の巨人」なんかもそうですよね。

これもまた王道ではないでしょうか。

 

怪獣8号の面白いポイント⑤「推せるキャラクターたち」

ここまでは主にストーリーや世界観について触れてきましたが、多くのファンが「怪獣8号」にハマったきっかけは「推し」が見つかったからだと思います。

ここでは、主人公カフカ以外の人気キャラクターについて解説していきます。

 

市川レノ

市川レノ

市川レノは、カフカが勤めていた解体業者にアルバイトとして入ってきた青年です。

自身も防衛隊を目指しており、当初は夢を諦めたカフカを見下すような言動が目立っていました。

しかし、ふとしたきっかけからカフカの面倒見の良さや男気に触れ「カフカのような男になりたい」と感じるようになります。

クールな見た目とは裏腹に、カフカを「先輩」と呼び慕う姿はまさに犬系男子。

戦闘面では、入隊直後は平凡な成績だったにも関わらず、物語が進むにつれて急激に能力が覚醒していきます。

作中の登場人物の誰よりもカフカの夢を応援し、支えようとする「作者公認の相棒」です。

戦闘スタイルは「冷気による行動阻害」。

 

四ノ宮キコル

四ノ宮キコル

四ノ宮キコルは、金髪のツインテールが特徴的な女性隊員です。

「天才」と言われるほど高い戦闘力を持ち、入隊時点ですでに小隊長レベルの実力を発揮していました。

ヒロイン=守られる存在、かよわい存在、主人公を精神的に支える存在というイメージがありますが、キコルは主人公カフカよりも圧倒的に強く、過酷な出来事にも折れない強い精神力を持っています。

キコルに限らず、「怪獣8号」の女性キャラクターは下手な男性キャラクターよりも強い場合があります。

才能に恵まれながらも凄惨な過去を持ち、それでも気高く前を向き続けるという点では、カフカよりもずっと少年マンガの主人公っぽいキャラクターと言えるでしょう。

戦闘スタイルは「衝撃波を放つ大斧」。

 

保科宗四郎

保科宗四郎

保科宗四郎は、カフカが入隊した「第3部隊」の副隊長の男性です。

糸目、おかっぱ、関西弁と、好きな人はめちゃくちゃハマる外見をしており、糸目キャラの例に漏れずしっかりと強キャラです。

銃撃戦を主体とする防衛隊でありながら、銃への適性が低いという欠点を抱えています。

いっぽうで優れた剣の腕を持ち、近接戦闘が主体となる対小型・中型怪獣においては隊長クラスに匹敵する実力者と言えるでしょう。

なにかとカフカを気にかけ、迷ったときには背中を押してくれるアドバイザー的なキャラクターです。

戦闘スタイルは「二刀流(忍者刀)」。

 

鳴海弦

鳴海弦

鳴海弦は「第1部隊」の隊長であり、作中最強の防衛隊員です。

独特なツートンヘアをしており、戦闘時に能力を解放することで瞳に十字のような模様が浮かび上がります。

最強キャラでありながら実際は「オタク」「ゲーマー」「引きこもり」「逐一エゴサしている」「口げんかが弱い」といった「残念なイケメン」を地で行くキャラクターと言えるでしょう。

戦闘スタイルは「斬ると同時に焼く銃剣」。

 

※イラストはすべて「美月遊様」よりお借りしています。

 

 

怪獣8号が面白いのは最初だけ?

ネット上の評判でよく目にするのが「最初は面白かったんだけど今は展開が遅い」という意見です。

ここでは、コミックスも集めつつ連載も追っている兎丸視点で、なぜ怪獣8号が「面白いのは最初だけ」と言われているのかを考察していきます。

なお、物語の説明上、若干のネタバレ要素を含みますのでご注意下さい。

 

結論から言ってしまうと、連載を追っている人は展開が遅く感じ、コミックス派の人はずっと面白いと感じているのではないでしょうか。

そう考える根拠として以下の3つが挙げられます。

 

序盤はスカッとする展開が多い

「怪獣8号」の人気のひとつに「主人公が最強」というポイントがあります。

味方のピンチに主人公が満を持して登場し、圧倒的な力で強敵を撃退する。

そんな「ワンパンマン」的な展開にカタルシスを得る読者が多かったからではないでしょうか。

主人公よりも強い敵が登場しない序盤は特に「主人公が登場したら勝ち確定」といった雰囲気が強かったため、後に主人公が危機を迎える展開にストレスを感じてしまう読者がいたとしても不思議ではありません。

たしかに物語が進むにつれて短いスパンでのカタルシスは減っていきます。

ただ、個人的にはキャラクターそれぞれの心の成長や力の覚醒といった点に焦点が当てられた結果、相対的に主人公が無双する場面が減っただけだと思っています。

SNSの反応を見ていると、話を一気読みできるコミックス派の読者は「ずっと面白い」という意見の方が多いように感じます。

 

序盤はストーリーがめちゃくちゃシンプル

序盤は「主人公カフカが再び防衛隊を目指し、正式な隊員を目指す」という非常に分かりやすいストーリーでした。

「防衛隊に合格」という分かりやすい目標を早期に達成してしまったことで、次の目標が読み取りにくくなった感は否めません。

お話を丁寧に読んでいれば見失わないのですが、あとで解説する「隔週連載」によって読者の記憶からすっぽ抜けてしまうのだと思います。

結果「いま何をしようとしているのかが分からない」という読者が増えているのではないでしょうか。

こちらも、話を通して読めるコミックス派の人は「いまどんな状況なのか」をきちんと理解できている人が多い印象を受けます。

 

隔週連載

正直「展開が遅い」という意見の元凶はすべて「隔週連載」のせいだと感じています。

「怪獣8号」は毎週連載→3週連載1週休み→隔週連載といった経緯をたどっています。

おそらく松本先生のスケジュールやコンディションに合わせて、ペースを調整しているのではないでしょうか。

基本的に過去の話を読み返さない「連載を追っている派」の読者としては、1話ごとに2週間もの時間が経過することになります。

そのため、どんなに物語の展開がはやくても、読者の体感としては「2週間待たされた」という思いがぬぐえません。

2週間経つから、短いスパンでカタルシスを得られた序盤のほうが良く思えるのです。

2週間経つから、いまなにをしているのかを忘れ、実際の展開以上に物語が間延びして見えてしまうのです。

ここまでだらだらと説明してきましたが、すべての問題は「隔週連載で読んでいる」という一点に集約されると言えるでしょう。

以上の点から、個人的には断然「コミックスで読む」ことをオススメします。

マジで面白さが100倍くらい違いますよ!

 

数字で見る「怪獣8号」

最後に「怪獣8号」の人気を客観的な数字で見ていきたいと思います。

 

・「ジャンプ+」では、毎話100万pvを超える閲覧数をキープ。

・コミックスの累計発行部数は7巻時点で780万部を突破。

・日本産マンガの市場が右肩上がりのフランスにて、第1巻の発行部数(初版)が25万部。

 

「ジャンプ+」では、毎話100万pvを超える閲覧数をキープ

たとえば「YouTube」で、動画を出すたび確実に100万再生されるチャンネルがあったとしたら、それはめちゃくちゃスゴイですよね。

マンガと動画という違いはあれど、「怪獣8号」は最新話を更新するたびに安定して100万回再生されています。

それだけ、楽しみにしているファンが多いということでしょう。

 

コミックスの累計発行部数は7巻時点で780万

これは電子書籍版も含めた数字ですが、コミックス4巻発売時には、「ジャンプ+」史上最速で400万部を突破しています。

「発行部数と実際に売れた数は違うから」と思う人もいるでしょう。

たしかに、売り出したい作品を多めに刷ることはあるかもしれません。

しかし、まったく売れない商品を大量に刷り続けたら大赤字になりますよね。

怪獣8号は、「売れる見込みがある」からこそ、大量増刷されていると考えるのが自然ではないでしょうか。

そして「実際に売れている」からこそ、6巻、7巻と新刊が出るたびに発行部数が伸びているのだと思います。

 

日本産マンガの市場が右肩上がりのフランスにて、第1巻の発行部数(初版)が25万部

これはちょっと分かりにくいですが、普通にすごいことです。

25万部がどのくらいスゴイかと言うと、大人気マンガ「呪術廻戦」の2巻発売時点で、1巻~2巻を合わせた発行部数がちょうど25万部でした。(日本国内の話です)

このとき、呪術廻戦は「新人漫画家としては異例!」と騒がれていました。

つまり、呪術廻戦並の発行部数を、「怪獣8号」は海外で成し遂げたと言えます。

 

今回は以上です!

それではまたお会いしましょう!

 

 

 

【怪獣8号】松本直也先生の過去の作品を一挙紹介!

ここでは「怪獣8号」作者である松本直也先生の過去の名作をまとめています。

試し読みもできますので、気になった方は試し読みだけでも覗いてみてはいかがでしょうか?

 

ねこわっぱ!(全2巻)

松本直也先生のデビュー作。

神に育てられた怪力幼女「タマ」が巻き起こすホッコリコメディです。

一言でいうならば松本版「ドクタースランプ」!

 

ポチクロ(全4巻)

ジャンプ+の黎明期を支えた名作!

悪魔の少年クロと、魔界に迷い込んだ女子高生ポチが織りなす胸キュンバトルラブコメディ!

一言でいうならば松本版「魔法陣グルグル」!

  

とりあえず試し読みだけでもしてみてはどうでしょうか?

 

 

 

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