こんにちは!
ルックバック考察班の兎丸です!
「チェンソーマン」でおなじみの藤本タツキ先生がジャンプ+にて掲載した読み切り作品「ルックバック」。
ノスタルジックに浸れる上質な映画を見ているようなシナリオには素直に脱帽しました。
今回はそんな新作読み切り「ルックバック」に隠された数々の小ネタを徹底的に解説!
さらにSNS上で議論が飛び交っている修正内容やラストの展開についても考察していますので、ぜひ最後までお付き合いください!
言うまでもなく完全ネタバレ注意です!未読の方は以下リンクから読んできてくださいね!
それではいってみましょう!
「ルックバック」に隠された小ネタ・チェンソーマンとの関係を解説
タイトルの意味
タイトル「ルックバック」には「背中を見る」「振り返る」「過去に思いをはせる」「追憶」のような意味合いがあるそうです。
さらに本作にはある曲のタイトルが隠されていると話題になっていますね!
作中1コマ目。先生が話している場面の背景の黒板に見切れた文字で「don’t」と書かれていますよね。
さらにラストのコマの左下。ジャンプなどの雑誌に紛れて「In Anger」と書かれた雑誌があります。
この2つに本作のタイトル「ルックバック」を加えると「Don’t Look Back In Anger」という『oasis』の曲のタイトルになります。
この曲は簡単に説明すると「過去に捉われて後ろ向きになってはいけない。前を向いていこう」という内容であり、イギリスではテロ被害に苦しむ国民の道しるべともなった曲です。
曲のメッセージ性と読み切りのタイトルの共通性を踏まえると、藤本タツキ先生が意図的に曲のタイトルを散りばめた可能性は高いと言えるでしょう。
京本が読んでいる背景美術の本にチェンソーマンの街並み
主人公のひとり・京本が漫画家をやめて美大へ行くきっかけとなった背景美術の本。
そこに描かれている景色が、藤本タツキ先生の「チェンソーマン」に登場する背景と酷似しています。
「チェンソーマン」が手元にある方は見比べてもらえれば分かりやすいと思いますが、具体的には以下の通りです。
- ビルの街並み=地獄のヒーローチェンソーマンがマキマに宇宙に打ち上げられ、心臓だけを切り離して戻ってきた場面の背景と酷似(10巻)
- 雨の中の電話ボックス=レゼ編でデンジとレゼが出会ったのが雨の電話ボックス。(5巻)
- 中国の街並み=各国のデビルハンターがデンジを狙ってきた時の、中国からの刺客「クァンシ」が登場する場面の景色と同じ。(7巻)
他にもあったら教えて下さい!
美大で京本が描いている絵がチェンソーマンの扉
美大で京本が描いている大きな扉の絵。
実はチェンソーマンに登場するデンジの心の中の扉とまったく同じものです。
チェンソーマンではこの扉を「開ける」か「開けない」かの選択肢がその後の主人公の運命を決定づけるものとなっていましたよね。
ルックバックでも京本が自室の扉を「開ける」か「開けない」かによって二人が辿る未来が変わった可能性が示唆されています。
11巻で終わっているシャークキック
作中で連載された「シャークキック」。
人気作のようでアニメ化が決定しますが、作者急病のため11巻時点で連載がストップしています。
藤本タツキ先生の「チェンソーマン」も11巻で1部が完結。
シャークキックはスーツ姿のサメ男。
チェンソーマンはスーツ姿のチェンソー男。
すでにアニメ化が決定していますので、「シャークキック」はチェンソーマンをモデルにした作品だと思われます。
ちなみに作中では「続きは12巻で」というメッセージとともに作者である藤野が置いていたペンを取り、再びマンガを描き始めるところで終わっています。
これは藤本タツキ先生からファンへの「チェンソーマン2部ちゃんと描くからね!」というメッセージかもしれませんね!
美大の事件
美大で起きた不審者による事件は実際の「京都アニメーション放火殺〇事件」がモデルとなっていると推察されています。(あくまでファンの予想です)
理由としては以下のとおりです。
- 「ルックバック」が掲載された7月19日は京アニに放たれた火が鎮火した日付であること。
- 「ルックバック」の犯人が「お前がパクッた」的な発言をしていること。実際の京アニ事件の犯人も「おれの作品をパクリやがったんだ」と供述しています。
根拠としては弱い気もしますが、藤本先生なりの追悼の意があったのかもしれません。
※令和3年8月。作中の犯人の言動や犯行動機などの表現が偏見や差別の助長に繋がるとして一部内容が修正されました。
※令和3年9月。単行本化するにあたり再修正が加えられました。詳しくは下記にまとめてあります。
まだまだ隠されたネタが存在するかもしれません!もし新しい発見があったらぜひ教えて下さい!
「ルックバック」のラストの意味は?真相と根拠を解説!
様々な憶測を読んでいるラストの展開ですが、私なりの解釈をまとめてみました!
いきなり結論から言っちゃいますが、ラストの「もしもこうだったら」という世界線の出来事はすべて藤野の夢もしくは願望です。
4コマ漫画を描いたのは藤野
根拠の1つめは、ラストの4コマ漫画は京本が描いたものではないということです。
この4コマ、話の流れから「もしも」の世界の京本が描いたように見えますが、実際は藤野が描いたものだと思われます。
小学校時代の2人の4コマと見比べてみると一目瞭然なのですが、絵柄も筆跡も完全に小学校時代の藤野のものなんですよね。
特徴的な「や」などの筆跡、京本の「京」の字などを見比べるとよく分かります。
つまり、あの4コマはそもそも京本が描いたものではなく、藤野が描いたものと言えるでしょう。
4コマ漫画は過去やパラレルワールドからの贈り物ではない
根拠の2つめは、京本の部屋の4コマ漫画です。
京本がいない世界で、藤野が京本の部屋に入った場面に注目して下さい。
窓が開いて風が吹いていますよね。その窓には4コマ漫画が貼られています。
そのなかの1つだけが剥がれてなくなっていますよね。
つまり、京本がいない世界の藤野のもとに出現した4コマは、もともと京本の部屋の窓に飾られていたものが風に吹かれて部屋の外に飛ばされてきたものということになるのではないでしょうか。
以上の2点から、ラストの「もしもこうだったら」というお話は、過去を悔やんだ藤野による妄想であり、パラレルワールドではないということになります。
一方で「なんで藤野が京本名義で4コマ描いとんねん」という疑問が残るのも事実。
自分のせいで友人を失ってしまったと感じた藤野なりの現実逃避だったのかもしれませんね。
本当のところはどうなんでしょうね?
皆さんはどう思いますか?
どちらにせよ、あのタイミングであの漫画だけが扉を越えて藤野の手元に辿り着いた事は単なる偶然とは思えません。
「過去に捉われずに前を向いて生きてほしい」という京本からのメッセージだったのではないでしょうか?
「ルックバック」ですが最後は前向きなメッセージが込められていると信じたいですね!
「ルックバック」単行本や2度の修正内容について
大きな話題となった藤本タツキ先生の読み切り「ルックバック」ですが、なんと単行本が発売されました!
ジャンプ+への掲載が令和3年7月19日で単行本の発売日が令和3年9月3日。
単行本化まで2カ月を切っているという異例の超スピード書籍化と言えるでしょう。
紙の本と電子書籍の両媒体で発売されています。
そこで気になるのが単行本の内容ですよね!
「ルックバック」の修正内容は?
単行本化するにあたって公式からの発表がありました。
「著者の意向を受けて協議のうえ、セリフ表現を変更している部分がございます」とのことです。
掲載後の修正からさらに修正が入っているのでは?とSNSがざわつきましたよね!
結論から言ってしまうと、単行本では初版とも修正版とも違う内容に修正されています。
・修正前→「絵画から自分を罵倒する声が聞こえた」「パクっただろ」等、支離滅裂な内容。
・修正後→「誰でもよかった」等、無作為な犯行と思われる内容。
・単行本→「ネットに公開していた絵をパクられた」といった内容。
単行本では藤本タツキ先生の意向を汲み、世論的に問題のない範囲で修正前の形に近い内容に再修正されています。
個人的には「誰でもよかった」という漠然とした理由よりも、犯人の動機や背景がイメージしやすいのではないかと感じました。
「ルックバック」ラストの意味とは?チェンソーマンとの関係は?隠された真相や単行本の修正内容を徹底解説!のまとめ
いかがでしたか?
奇才・藤本タツキ先生の新作ということで正直かなりハードルが上がっていたと思うんですけど、めっちゃあっさりとハードルを飛び越えてきましたね(笑)
とても140p超の大ボリュームとは思えないほど難なく読めてしまいました。
流れるようなストーリー展開はまさに「魅せる力」の為せるワザですね!
ちゃんと小ネタも仕込んでファンサービスも忘れない先生が大好きです!
「チェンソーマン」も読んでおくと2倍楽しめると思いますので、未読の方はこの機会に「チェンソーマン」にも目を通してみてはいかがでしょう?
全11巻でイッキ読みしやすいですよ!(カラー版です)
今回は以上です。
また次回お会いしましょう!
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