こんにちは!
タコピーの原罪考察班の兎丸だっピ!
3月11日(金)に第14話「直樹くんの介在」が公開されましたね!
今回も最新話の深堀り考察をしていきたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合い下さい!
「タコピーの原罪」最終話までの伏線まとめはこちらの記事です!
本記事は最新話までのネタバレを含みます。
本編未読の方は下記リンクから読んできてくださいね!
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それではいってみましょう!
前回までのあらすじ
タコピーが初めに出会っていたのは高校生のまりなちゃんでした。
紆余曲折を経て高校生の東くんと付き合うことになったまりなちゃんですが、しずかちゃんの台頭により早くも破局してしまいます。
「久世さんには僕しかいないんだ」
そう語る東くんの目にはしずかちゃんしか映っていません。
東くんとの交際をきっかけに良好な関係に戻りつつあったまりな母との関係も一気に悪化。
まりなちゃんのトラウマでもあるガラスで娘を刺そうとするまりなママ。
抵抗したまりなちゃんは逆にママを殺していまいます。
「ごめんなさい」
謝罪を繰り返すまりなちゃん。
しかしその内容は「小4のときちゃんと殺さなきゃだった。久世しずかを」という歪んだものでした。
まりなちゃんの言葉を鵜呑みにしたタコピーは、「久世しずかを殺せばまりなちゃんはハッピーになる」と受け取り、タイムトラベルが可能な「大ハッピー時計」のあるハッピー星へ飛びます。
過去にとんだタコピーでしたが、「掟」を破ったとして記憶を消されてしまいます。
自身の目的や高校生のまりなちゃんの記憶を忘れたタコピーは、2016年の世界で小学生のしずかちゃんと出会ったのでした。
何が悪で何が善かわからなくなったタコピーの前に現れたのは東くんでした。
【タコピーの原罪】第14話「直樹くんの介在」ネタバレ解説!東くんの出した『答え』としずかちゃんの『罪』
東くんの現状
まずは東くんが置かれている状況を確認しましょう。
東くんはしずかちゃんのクラスメイトで、まりなちゃんの死体を隠ぺいする手助けをしていました。
優秀な兄と比較して育てられた東くんは、兄・潤也への強い劣等感と、母親に認めてもらいたいという気持ちを抱えて生きてきました。
しかし、ついに母親にも見限られた東くんは、母親に似ていた同級生・しずかちゃんに依存するようになります。
まりなちゃんの死体が見つかり、しずかちゃんに「自分の代わりに自首してくれ」と頼まれた東くんは、早朝、家族の目を盗んで警察へ出頭しようとしました。
しかし、その時、兄である潤也に説得され、兄だけは自分を「弟の直樹」として見ていてくれたことを知ります。
泣き崩れる東くんは、潤也にすべてを打ち明けたのでした。
事件後の東家の変化
事件への関与が明るみになったことで、東くんの家庭には大きな変化が起こりました。
東くんのママは息子が殺人事件に関与していた事実にショックを受け、寝込んでしまいます。
兄・潤也もバイトをクビになり、大学への進学が困難な状況にあるようです。
潤也は最後のバイト代で東くんに新しいメガネを買ってくれました。
東くんのメガネは、東くんがはじめてママから「自分に」買ってもらったものです。
視力検査もせず、眼鏡スーパーで購入した3000円の安物ですが、東くんにとっては唯一「母親との絆」を感じられる物と言えるでしょう。
そのため、成長して度が合わなくなっても新しいメガネを購入できないでいた東くんですが、潤也だけは弟のメガネが何年も同じものであること、度が合っていないことに気づいていました。
弟のせいでバイトをクビになり、進学すらも危うい状況になったにも関わらず、最後のバイト代でその弟にメガネを買ってあげる。
潤也の弟を想う気持ちは本物ですよね!
タコピーの葛藤と直樹くんの介在
そんな東くんがタコピーに前に現れた理由、それは「タコピーにありがとうと伝えるため」でした。
タコピーの出現によって様々なことが巻き起こり、東くんは死体遺棄の罪まで負うことになりました。
ある意味、タコピーによって人生を狂わされたともいえる東くんですが、作中で唯一、負の感情から抜け出せた人物でもあります。
もしタコピーがいなかったら殺人事件に関与することはなかったでしょう。
しかし、タコピーがいたからこそしずかちゃんやタコピーといった友達ができました。
タコピーがいたからこそ、兄・潤也と腹を割って話す機会が生まれ、劣等感を克服することができました。
おそらく、東くんは「優等生」を演じるあまり「本当の友達」と呼べるクラスメイトがいなかったのではないでしょうか。
実際、東くんの回想では東くんが着ているブランド物の服に惹かれて話しかける女の子はいましたが、本心で話せるような友達はひとりも登場していませんよね。
むしろ、本心を話せる友達がひとりでもいたのなら、東くんはここまで大きく劣等感を抱かずに済んだのかもしれません。
吐き出せる場所があるって本当に大切ですよね!
また「常に100点」を目標としていた東くんですが、今話では「能天気で馬鹿でゴミ」なタコピーに対して「やさしい」「ありがとう」と伝えています。
これは東くんのなかで「満点以外の価値」が芽生えたということではないでしょうか。
東くんの精神が大きく成長した証と言えるでしょう。
選んだ道は間違っていたのかもしれませんが、それでも「楽しかった日々」だけは本当だったのではないでしょうか。
だからこそ、東くんはわざわざ「ありがとう」と伝えにきたのだと思います。
「次の僕に会うことがあったら言ってやってくれよ」の意味
東くんは別れ際に「次の僕に会うことがあったら言ってやってくれよ。兄貴とケンカでもしてみろって」と言っています。
これは、タコピーが過去に戻れることを受けての発言なのですが、よくよく考えると東くんの本心が隠されているのではないでしょうか。
まず、「次の僕」という部分ですが、これは「今の僕」ではないということです。
つまり、「自分自身は過去に戻ったり過去を変えたりとは思っていない」ということだと思います。
このことから、東くんは現状を受け入れており、後悔はしていますが、やり直そうとは思っていないと言えるでしょう。
「兄貴とケンカでもしてみろ」という部分に関しては、東くん自身が劣等感や母親への負の感情をクリアするためには、潤也と腹を割って話すことが必須だと感じていると思われます。
つまり、東くんの気持ちとしては、「家族に迷惑をかけたことは後悔しているが、タコピーやしずかちゃんと過ごした日々や様々な葛藤を乗り越えた現実を無しにはしたくない。でも、もし違う時間軸の東直樹に会うことがあれば「潤也と腹を割って話す大切さ」だけは伝えておいてほしい」といったところでしょうか。
タコピーが出した答えとは
東くんとのやりとりで、タコピーは「誰にでもいいとこも悪いとこもある」ということ。
「助けてあげよう」なんて思うのが間違いだったことを学びます。
かつてのタコピーは「なにも知らない」がゆえに「すべてが善」だと思っていました。
さらに「僕がしずかちゃんを幸せにする」と息巻いていましたよね。
紆余曲折を経て「善と悪は共存する」「助けて『あげる』では救えない」ということを知ったタコピーは一体どんな答えを出すのでしょうか。
しずかちゃんが犯した罪!今後の展開は?
最後に、しずかちゃんが犯したであろう事件について考察していきます。
今話で登場した新聞の切り抜き。
「東京都女児二人行方不明」という不穏な見出しが目につきます。
新聞の内容から、おそらくしずかちゃんがパパの娘たちに何かをしたものと思われます。
勘違いしがちですが、娘二人は「その後発見された」と記載されていますので、しずかちゃんは命を奪うことまではしていません。
ただ、少なくともひと月以上の間行方不明であり、発見時には事件の詳細を聞き出すこともままならないほど衰弱していたようですので、かなりハードなことをしちゃった可能性が高いですよね。
しずかちゃんはタコピーと別れる前に「人間をつかまえて胃の中を調べる道具出して」という恐ろしいお願いをしていました。
愛犬・チャッピーの死を受け入れられないしずかちゃんは、パパの娘たちがチャッピーを食べちゃったのかもしれないと考えていました。
このことから、おそらくしずかちゃんはタコピーから奪ったハッピー道具を駆使して「子供たちの胃の中を調べた」のではないでしょうか。
さすがにおなかを切り開いて……みたいな方法は取っていないと思いますが、食べ物を与えずにお腹が空になるのを待ったり、無理やり胃の中のものを吐き出させたりといった行為はしているかもしれませんね。
そして季節はめぐり、約一年後。
しずかちゃんはタコピーが待つ北海道へ戻ってきました。
はたして物語はどんな結末を迎えるのか!
非常に楽しみです!
皆さんはどう思いますか?ぜひコメント欄で教えて下さいね!
今回は以上です!
それではまたお会いしましょう!
「タコピーの原罪」作者のタイザン5先生の読み切り紹介!
ちなみにタイザン5先生は過去に読切を発表しています。
「讃歌」「同人政治」「キスしたい男」「ヒーローコンプレックス」など、どれもタイザン5先生の特徴である秀逸な世界観と共感できる人間ドラマがめちゃくちゃ味わえる作品ばかりですのでぜひチェックしてください!
次回更新は3月18日(金)となります!
コミックス下巻は4月発売予定です!
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