こんにちは!
タコピーの原罪考察班の兎丸だっピ!
3月18日(金)に第15話「しずかちゃん」が公開されましたね!
今回も最新話の深堀り考察をしていきたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合い下さい!
「タコピーの原罪」最終話までの伏線まとめはこちらの記事です!
本記事は最新話までのネタバレを含みます。
本編未読の方は下記リンクから読んできてくださいね!
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それではいってみましょう!
前回までのあらすじ
しずかちゃんを殺すために過去へ渡ってきたことを思い出したタコピー。
何が悪で何が善なのかが分からなくなったタコピーは激しく葛藤します。
そこへ現れた東くん。
まりなちゃん殺害事件への関与が明るみになったことで、東くんの周囲は慌ただしい状況でした。
母親はショックで寝込み、兄・潤也はバイトをクビになり、大学進学も危ういようです。
自らが抱える葛藤を吐き出すタコピーに、東くんは「誰にでもいいとこも悪いとこもある」と伝えます。
加えて、しずかちゃんやタコピーと過ごした時間はとても楽しく充実したものだったことを告げ「ありがとう」と告げるのでした。
数多くの失敗をした後悔だらけの人生ですが、それでも友達と過ごした時間はハッピーだったのです。
季節はめぐり、タコピーはしずかちゃんと始めた会った空き地で待ち続けます。
この間、しずかちゃんが関与していると思われる行方不明事件が発生。
被害者は東京のパパの娘たちです。
そして春、タコピーはついにしずかちゃんと再会。
最後の「おはなし」が始まります。
【タコピーの原罪】第15話「しずかちゃん」ネタバレ解説!しずかちゃんの欲しかったものと最後のタイムリープ!
しずかちゃんの感情が爆発。「本当に欲しかったもの」とは?
しずかちゃんが本当に欲しかったもの。
それは「寄り添ってくれる人」「自分を正しく見てくれる存在」でした。
タコピーとの会話の末、しずかちゃんは初めて感情を爆発させます。
感情の起伏がなく、チャッピー以外には無関心だったしずかちゃんですが、実際は自らを取り巻く辛すぎる現実に深く傷つき、心に蓋をしていただけでした。
両親の離婚、ネグレクト、いじめ、愛犬チャッピーの死、同級生の殺害、そして行方不明事件と、しずかちゃんを取り巻く環境は凄惨たるものです。
後半はしずかちゃんが行動した結果ですが、決して本意ではなかったでしょう。
小学4年生の女の子が、大人やクラスメイトといった「自分ではどうにもならない状況」に振り回された結果です。
「そうせざるを得なかった」という言葉が正しいのかもしれません。
感情を殺し、鈍感になることでどうにか心を保っていたしずかちゃんですが、極限まで追い詰められ、どうにもならない状況に陥って初めて自分の本当の気持ちを吐露しました。
「知らない人みたいな顔で私のこと見てたお父さん。どうすればよかったの?」から始まる幾多の「どうすればよかったの?」という言葉。
そのどれもがしずかちゃんの力ではどうにも変えられないものばかりです。
誰にも教えられなかったしずかちゃんは「自分で考えるしかなかった」のではないでしょうか。
「一人にしてごめんっピ」 タコピーが言っているように、しずかちゃんに必要だったのはともに寄り添ってくれる存在だったのです。
最後のタイムリープとハッピー力
しずかちゃんと和解したタコピーは、もう一度だけ「ハッピーカメラ」で過去へ戻ることを決めました。
「少女を置いて過去へ渡る」という図式は、2022年で高校生のまりなちゃんが母親を手にかけてしまった時と重なります。
2022年の過ち
2022年。父親が出ていき、母親も死んでしまったことで孤独となったまりなちゃんは「一人にしないで」と絶望感に苛まれます。
人の気持ちを知らなかったタコピーは、そんなまりなちゃんの「寂しい」「一人は嫌だ」といった気持ちを察することができず、「小4のときちゃんと殺さなきゃだった。久世しずかを」という言葉だけを信じてさっさと過去へ渡ってしまいます。
一人残されたまりなちゃんはすべてに絶望し、自ら命を絶ちましたよね。
母親を手にかけてしまった後悔からの自死にも思えますが、まりなちゃんはタコピーに何かを語り掛けようとしていました。
おそらく、まりなちゃんはタコピーに側にいてほしかったのではないでしょうか。
しかし、タコピーがさっさとどこかへ飛んで行ってしまったため、自ら命を絶ったように見えます。
このことから、まりなちゃんが本当に求めていたのは「久世しずかの死」ではなく、「寄り添ってくれる存在」だったのではないでしょうか。
2016年の成長
2016年。同じように「孤独」に絶望したしずかちゃんに対し、タコピーは実に長い間ともに過ごし、気持ちに寄り添ったのだと思います。
これは、しずかちゃんとタコピーが一緒に泣いている点。そしてしずかちゃんの髪がめちゃくちゃ伸びている点から察することができますよね。
2022年とは違い、タコピーは少女にしっかりと寄り添うことができたのです。
そのうえで「時間を戻してしずかちゃんをものすごい笑顔にしてみせる」という結論に至りました。
この点において、タコピーは確実に人の心を理解し、成長を遂げたと言えるでしょう。
ハッピー力
まりなちゃんを撲殺した際に壊れたハッピーカメラですが、タコピーの「ハッピー力」を犠牲にすることで一度だけ使用可能になります。
突然現れた「ハッピー力」ですが、おそらくタコピー自身が「ハッピー」な状態でないと溜まらない力なのではないでしょうか。
ハッピー力が何なのかは知りませんが、ハッピーじゃない奴のハッピー力なんてたかが知れてると思いませんか?
タコピーは、和解後にしずかちゃんと過ごした日々を「ぼく幸せだっピ」と語っています。
何度も選択を誤り、決して大正解と呼べるルートではありませんでした。
しかし、タコピーが経験したすべての出来事があったからこそ、最終的にしずかちゃんと分かり合うことができたとも言えますよね。
「色々あったけど、今は幸せ」
そう思えるようになったからこそ、タコピーの「ハッピー力」は高まったのかもしれません。
ドクダミの花言葉「自己犠牲」
かつて姿を変える「お花ピン」でドクダミの花に変身していたタコピー。
ドクダミの花言葉は「自己犠牲」です。
これまでも、亡くなったまりなちゃんの代わりとして生活するなど「自己犠牲」と言える行動をとってきたタコピーですが、はじめて自分で考えて行動に移した「本当の自己犠牲」が、ハッピーカメラの修復だったのではないでしょうか。
作者のタイザン5先生は、編集部のインタビューで「陰湿なドラえもんがやりたかった」と語っています。
何をやってもダメダメなのび太君を本当の意味で支えていたのは、便利なひみつ道具ではなく、親友であり理解者のドラえもんですよね。
同じように、しずかちゃんや東くんの心を救ったのは、便利なハッピー道具ではなく、タコピーや潤也の「寄り添う心」だったと言えるでしょう。
消えたタコピーの文字!今後の展開は?
最後のタイムリープによって過去へ戻ったしずかちゃん。
その背後の「タコピー」の文字は、しずかちゃんの体で隠れて読むことができません。
これは、しずかちゃんの記憶から「タコピー」が失われたことを表現しているのではないでしょうか。
実際、本来そこにいるはずのタコピーの姿がなく、しずかちゃんも「なんだっけ」と言っています。
ただ、正確には「文字が隠れかけている」であり、記憶の片隅にタコピーの存在、もしくは想いのようなものが残っている可能性は否定できません。
というより、記憶が完全に抹消されているとしたら結局なにひとつ未来は変わりませんよね。
タコピーの介在がなかった2022年の世界のような結末になるだけです。
タコピーがその身をかけた最後のタイムリープ。
何かしらの意味があると思いたいですよね!
皆さんはどう思いますか?ぜひコメント欄で教えて下さいね!
今回は以上です!
それではまたお会いしましょう!
「タコピーの原罪」作者のタイザン5先生の読み切り紹介!
ちなみにタイザン5先生は過去に読切を発表しています。
「讃歌」「同人政治」「キスしたい男」「ヒーローコンプレックス」など、どれもタイザン5先生の特徴である秀逸な世界観と共感できる人間ドラマがめちゃくちゃ味わえる作品ばかりですのでぜひチェックしてください!
最終回は4月25日(金)となります!
コミックス下巻は4月発売予定です!
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